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2025/12/18交流活動

胃外科医師3カ月研修報告:国立がん研究センター東病院

陳 商琪
寧波市第二医院  胃外科

 2025年6月2日から8月29日にかけて、日本において研修の機会を賜り、国立がん研究センター東病院にて研修させ ていただきました。ここに、下記のとおり研修内容をご報告申し上げます。

 研修の最初の2か月間は胃外科木下敬弘科長のご指導のもと、診療および手術見学を中心に研鑽を積みました。残り1か月間は消化管内視鏡科に移り、矢野友規科長のもとで、消化管内視鏡操作ならびに診断・治療技術について専門的に学びました。

 胃外科における研修では、診療のあらゆるプロセスにおいて細部への配慮が極めて重要であることを身をもって実感しました。術前準備(すべての胃癌患者に対し、内視鏡下で腫瘍および切離線マーキングを実施)、術中操作(ダヴィンチロボットを用いた高精度な手技)、術後管理(担当医による緻密な経過把握)に至るまで、すべての丁寧な対応が、患者さんの良好な回復につながる根幹であると理解しました。木下先生からは、精緻な操作、標準治療、そして患者一人ひとりの状況に応じた細やかなケアこそが、安定した術後経過を支える基盤であるとのご示唆を頂きました。ダヴィンチロボット支援手術では、術野のコントロールや鉗子操作を正確に行うための技術を学ぶとともに、高度な精密性が術後合併症の予防に大きく寄与することを改めて理解しました。

 日本における医療教育が重視されている環境のもとで、研修中には多くの学びを得ることができました。ナショナルセンターとして、診療科医の半数以上をレジデントが占め、手術のみならず病棟回診、講義、MDTなどにも積極的に関わり、医療知識の継承が徹底されています。手術室では、医師・看護師をはじめとする医療スタッフが緊密に連携し、互いに敬意を払って業務にあたっている姿が印象的でした。また、院内には厳格なフローと規定も整備されています。医療とは単に疾病を治療する営みではなく、患者の回復を多面的に支える総合的な活動であることを改めて認識しました。

 一方、消化管内視鏡センターでは、上部・下部内視鏡検査、内視鏡下生検、さらには種々の治療手技など、多岐にわたる内視鏡技術を学ぶ機会に恵まれました。日々の見学を通じて、内視鏡技術の進歩により、消化管疾患の早期診断・治療が一層精密かつ効率的に行われていることを強く実感しました。特に東病院では、最大150倍までの拡大観察が可能な高性能内視鏡機器が導入されているため、胃内視鏡検査における病理生検が比較的少ないことが印象的でした。高精度な拡大観察により、良悪性の鑑別がより正確に行えるためとのことでした。矢野先生は、内視鏡治療では細部の管理が極めて重要であり、特に操作中に患者へ不要な損傷を与えないよう細心の注意を払うべきだという点を、常に強調されていました。日頃の内視鏡操作に加えて、内視鏡下生検技術や新型内視鏡デバイスの応用についても学ぶことができ、大変有意義な研修となりました。

 今回の3か月間の研修を通じて、日本の消化器疾患治療における先進的な技術、特に胃癌手術における精緻な操作と先端機器の活用に対して理解を深め、手術治療の質向上に対する認識が一層高まりました。また、内視鏡技術の革新に触れることで、早期診断・治療の精度向上が著しいことを改めて実感しました。研修期間、胃外科および消化管内視鏡の臨床技術を磨いただけでなく、国際的な医療現場における業務フロー、医療機器の運用、多職種連携の在り方についても多くの学びを得ることができました。この度、海外研修という貴重な機会を提供してくださった所属病院、本研修を受け入れてくださった国立がん研究センター東病院に心より感謝申し上げます。また、滞在中に多大なるご支援を賜った日中医学交流センターの皆様にも深く御礼申し上げます。この経験は、私の今後の医療キャリアにおける大きな財産となり、将来の臨床実践において確かな基盤となるものと確信しております。

研修記念撮影

 

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