2025/05/08交流活動
肝胆外科医師3カ月間研修所感【国立がん研究センター中央病院】

況京亜
重慶西南病院 肝胆外科
重慶西南病院肝胆外科の医師として、私は国内トップクラスの技術と学術的地位を誇る部門で働く栄誉に恵まれています。当科では長年にわたりERCP技術の臨床応用を積極的に推進し、関連分野において顕著な成果を上げております。2024年、病院の人材育成プログラムの参加者に選ばれ、日本の国立がん研究センターで研修する貴重な機会を得ることができました。これらすべては、所在病院の管理者の支援と日中医学交流センターの協力があったからこそであり、そのおかげで私は3か月間の研修を無事に終えることができました。三カ月研修の経験を通じて、私は専門的なスキルを向上させただけでなく、日本の医療システムのきめ細かな管理体制や日本の社会的、文化的特徴について、より理解を深めることができました。
今回の研修の主な内容は、肝胆膵疾患の診断治療におけるERCP及びEUS技術の標準化応用です。私は国立がん研究センターでの研修の日々を最大限に活用し、数多くの難しい手術症例を観察、参加しただけでなく、国がん病院の技術的手技、標準化された手順、及び診断など治療範囲についての豊富な経験を学びました。ERCPは胆管閉塞、胆管結石、膵臓疾患治療の重要な手段であり、核心的なところは手技の正確性と安全性にあります。研修中、私は正確な挿管戦略、ステント留置の細かい操作の最適化、患者の術後フォローアップデータの綿密な分析など、ERCP手術における日本の医師の詳細な管理を体系的に理解することができました。これらすべてを通じて、技術的な手技の成功は、手術中のわずか数分の重要なステップだけに頼るのではなく、手術前の十分な準備と手術後の標準化された管理も大事であることを深く認識できました。超音波内視鏡(EUS)は近年急速に発展してきた技術であり、肝胆膵疾患の診断と血管内治療において重要な役割を果たしています。国立がん研究センターでは、胆膵ドレナージにおけるEUSの実践について総合的な研修を受けました。私はこの分野における日本の医師のきめ細かさと厳格さに深く感銘を受けました。彼らは手術の技術的定義に注意を払うだけでなく、患者の快適さと術後の回復を非常に重視しています。また、中国では実施していない数多くの新しい治療方法が開発されており、今回の研修からたくさん学ぶ事ができました。
他に、日本の医療システムの標準化レベルが印象深かったです。初診から手術の実施、そして術後のフォローアップまで、各ステップには詳細なプロセスガイダンスとガイドラインがあります。研修中、日本の医師のプロ意識と細部にまでこだわった仕事への姿勢に深く感銘を受けました。彼らは、しっかりとした理論的基礎と優れた業務スキルが備っているだけでなく、患者の気持ちや医師と患者のコミュニケーションも重んじています。手術前の話し合いでは、患者さんの意見にじっくり耳を傾け、患者さんとの信頼関係を築くなど、包括的かつきめ細かな医療サービスの考え方に深い感銘を受けました。また、臨床指導における日本の医師の丁寧さと根気良さにも感動しました。研修中、インストラクターの先生方は各技術操作の裏にある原理と注意事項を詳しく説明し、質問したりディスカッションに参加したりするよう励ましてくれました。彼らは単に「技術を教える」のではなく、体系的な指導を通じて、効果的な診断と治療の考え方全体を理解し、習得するよう教えてくれました。
今回の研修が順調にできたのは、日中医学交流センターの支援と協力なしにはあり得ません。言語交流やビザ取得など総合的な指導をしてくれただけでなく、日本の医療機関とのコミュニケーションの架け橋にもなってくれました。このようなサポートのおかげで、私は外国でも心配することなく勉強に集中することができました。同時に、日中医学交流センターというプラットフォームを通じて、多くの優秀な中国の医師と出会い、経験を共有し、共に進歩してきました。皆さんのおかげで、私は医学の知識を増やしただけでなく、日本社会の独特の魅力を深く感じました。私は日本人の細部へのこだわり、医療施設の静けさや清潔さ、日常のやり取りにおける謙虚さや礼儀正しさなど、すべては厳格さと敬意の文化を反映しています。地下鉄の駅でも病院でも、秩序ある光景が見られます。公共の場を守り、他者を気遣う姿勢は本当に素晴らしいと思います。この文化的雰囲気は、私に忙しい仕事の中でも落ち着いて細部に集中できるようにしてくれました。
国立がん研究センターでの研修を通じて、私はERCPとEUS技術の操作スキルを向上させただけでなく、医療の標準化された管理についての理解を深めることができました。また、日本の医師とのコミュニケーションを通じて、より包括的かつきめ細かな仕事の姿勢とサービス精神を学ぶ事ができました。今回の研修により、私はさらに学び、成長し続ける決意を固めました。よりプロフェッショナルな姿勢で患者さんに恩返しをし、中国国内の医療事業の発展促進に自分の力を寄与していきたいと思います。